2010年12月に開催されました、創成教育シンポジウム「自主性と創造性を育む教育をめざして」の、報告書をお届けさせていただきます。
このシンポジウムは、工学研究科が平成20年度から今年度まで継続している教育GP「夢を形にする技術者育成プログラム」の一環として企画されました。そして幸いなことに、新たに教育地域科学部では「大学生の就業力育成支援事業(就業力GP)」に選定され、この就業力GPとの共催という形で開催されました。福井大学はわずか3つの学部しかもたない小さな大学ではありますが、このように教育についていくつも個性的な取組を行い、成果を収めております。 工学部で3年間続きました教育GPは、前の工学部長鈴木先生の適確なリーーシップのもと、飛田先生を始めとする多くの方々の精力的な取組で採択されたものです。GPへの応募に向けてのワーキングでの、メンバーの知恵を絞った討論は、今となっては大変懐かしいものです。
GP採択後には、教職員の中で、創成教育への取組が本当に大きなものとなり、工学部に所属している教職員の多くが何らかの形で創成教育に関わってもらえるようになりました。そしてなにより、GPを推進するためのワーキングを月に一度開催するようになりました。このワーキングは毎回およそ20名前後の教職員が多様な学科/部局より集まり、胸襟を開いて討論することで進めてきました。この教員のネットワークは、単に教育を推進するのみならず、真の意味での教員の連環となり、研究活動にも大いに活性化をもたらしております。たいへんに有意義な活動でありました。
そして何より、この教育プログラムに参画した学生さんたちの生き生きとした姿が、もっとも印象深いです。自主性と創造性を育んだ学生諸君がこの経験を生かして大きく飛躍していってもらえれば、これに勝る喜びはありません。 このような果実を次につなげ、さらに大きく育んでいくことが大切であると思います。そのための一歩として、このシンポジウム報告書が役に立てればと心から願っております。
先端科学技術育成センター(創成CIRCLE)
創成教育部門長 寺田 聡
【日時】 平成22年12月10日(金)13:10〜17:20
【場所】 福井大学文京キャンパス 総合研究棟13階 大会議室
【主催】 工学部先端科学技術育成センター(創成CIRCLE)教育地域科学部、高等教育推進センター
1.はじめに
小倉 久和(福井大学 工学部長・工学研究科長)
服部 修次(福井大学 工学部 先端科学技術育成センター長)
2.教育GP「夢を形にする技術者育成プログラム」の概要紹介
3.基調講演「明快な方向と方法論を提供する教育をめざして」
斎藤 恭一(千葉大学大学院工学研究科 共生応用化学専攻)
4.「夢を形にする技術者育成プログラム」の事例報告
教員と学生から紹介します
生物応用化学科の読書教育、実践サイエンス寺子屋科学編、
フォーミュラーカー製作プロジェクト、イルミネーションプロジェクト、など
5.「教育地域科学部での地域参画型授業による就業力育成」
木村 亮(教育地域科学部附属地域共生プロジェクトセンター長)
関根 吉則(教育学研究科学校教育専攻)
6.パネルディスカッション
7.おわりに
寺岡 英男(福井大学 理事・副学長)