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2次元/3次元レーザ加工機

前回に引き続き機械のことを知らない主婦がリポートするセンターのおたから紹介コーナーです。このコーナーではセンターにある最先端の機械を誰にでもわかりやすく紹介しています。機械に詳しい人も機械音痴の人も是非ご一読してください。第2弾は「2次元/3次元レーザ加工機」です。

レーザーということばはよく耳にしますが、レーザ加工機って何をする機械ですか?


立形5軸マシニングセンター
レーザ加工機というのはレーザー(LASERはLight Amplification by Stimulated Emission of Radiationの頭文字)と呼ばれる強い光(電磁波)を材料に当てて加工するのです。この機械は主に金属の切断に使われています。以前は金型に小さい穴を打ち付けて切断したり、穴を開けたりしていました。でもこれでは音がすごくやかましかったり、刃物の管理が大変だったり問題点がありました。

ではレーザーで加工できるようになった利点は?

レーザーで切ることによって精度のよいもの、複雑なもの、たとえば円弧のような形、ができるようになり、また、スピードも上げてできるようになりました。厚さも、この機械では0.5ミリ〜25ミリの厚さのものまで切ることができます。

レーザーって便利なものなんですね。レーザ加工機にもいろいろあるでしょうが、この機械が他のレーザー加工機と違うところはどこですか。

この機械では2次元はもちろんのこと、3次元加工ができるということです。つまり、立体のものに穴を開けようとすると2次元の加工機ではうまく穴が開けられないのです。

立体のものにうまく穴が開けられないというと?

なぜなら2次元加工機では、真上からしかレーザーが当てられず、平面上だけの加工になってしまうからです。その点この機械ではレーザーを出すヘッドの部分が動いて斜め方向からもレーザーを当てることができ、3次元加工ができるのです。たとえば丸いパイプのような曲面に六角形の穴を開けると、2次元加工では形が崩れてしまいますが、3次元加工では正確に開けることができます。

3次元加工は穴を開けるためだけにしか使われませんか?

開先加工といって切断面を斜め45°で切断することによって立体どうしの溶接部分を小さくすることができます。こういった加工がヘッドを動かすことのできる3次元加工ではたやすくできるようになりました。2次元加工しかできなかった頃は加工物のほうを動かすことになるので大変手間がかかりました。

誰でも簡単に使えますか?

誰でもというわけにはいきません。コンピュータを使って製図を作成するCADシステムやこれを製造機械に組み込むCAMといった知識が必要です。まず、コンピュータ上で絵を描き、それをプログラムで組んで、機械を動かすのです。また、コンピュータを扱えるだけでも不十分で、どういう工具を使うかといったような加工条件を決めるために加工経験や知識も必要です。だからコンピュータ操作の知識とあわせて、手で動かすような機械を扱える技能も必要なのです。

実際に私たちが目にするところで使われていますか?


こんな複雑な形状の加工もできます。
たとえば中部国際空港に行かれたことがあったらよくわかると思います。あの空港ビルの天井は立体トラス構造といってパイプとパイプを三角形を基本として組みあわせて作っているのですが、接合部分のパイプの切断は3次元加工でおこない、隙間を少なくし、その分溶接部分を小さくしているのです。これは地震に強い構造なのです。

溶接部分が少ないとなめらかになりますね。他にも用途はありますか?


T形鋼から切り出した部材の例。安価で手軽に加工できます。
積層金型といってレーザー切断した薄板を多数積み重ねて接合することによりなめらかな3次元形状を作り出していくことができます。また、丸形や角形のパイプ材やH,T,L形鋼などを自由な形に切り出すこともできます。こういったものは規格で寸法が決まっているので、形をうまく利用して切り出すと同じ形、大きさのものが簡単にたくさん作ることができるのです。こういうように立体の形を上手に利用して切り出すときにこの3次元加工機は威力を発揮するのです。これらは低コスト、短い納期で金型を作る方法です。

金属しか切断できないのですか?

金属以外では木材、プラスチック、布、布は燃えやすいので特殊な加工をするとか厚手のものでないと向きませんが。また、アルミ箔、銅箔のような薄いものもできます。
材料の切断が主な用途ですが、他に使えることがありますか?
溶接をしたり、材料表面に彫刻をして文字や絵を描くこともできます。レーザーの出力を変えることで調整できます。

材料の切断が主な用途ですが、他に使えることがありますか?

溶接をしたり、材料表面に彫刻をして文字や絵を描くこともできます。レーザーの出力を変えることで調整できます。

創成CIRCLEのロゴマークも作れますか?

もちろんできます。すぐにできますよ。

この機械もコンピューターで製図(CAD/CAM)し、プログラムを組んで動かすのですね?


質問に答えていただいた
ヤマザキマザックの松坂さん。
はい、そうです。様々な形状のものを加工するのに機械を変える必要がないので、お客さんのニーズにあったものがすぐに作ることができます。多品種少量時代に対応しているんですね。また、この機械は120cm×120cm以下の大きさなら加工できます。一度に1つのものしかできないのではなく、その大きさにはいるのであればさまざまな形状のものが一度に加工できます。

使用するときに気をつけるようなことはありますか?

レーザーを当てたり、ヘッドを動かしたりということはあらかじめコンピューターで組んでおくし、シミュレーションもするのでそこのところでの失敗はないでしょう。あるとしたら最初にヘッドをあわせるのに手動でするのでぶつける可能性があるということぐらいです。

レーザーというと医療用に使われたり、少し前に目に当たると危ないと話題になったレーザーポインターなどでよく耳にするものでしたが、多分一番汎用度の多いのはこういった機械なんだろうなと思いました。いろんな切り方がプログラムを変えるだけででき、人と同じものではなく、人と違うものに価値を求める今の時代にあった機械だろうなと感じました。パイプや長尺材などの規格物の形を利用して切り出し、部品に使うというアイディアにはなるほどと思いました。堅いものを切るときも頭は柔軟に働かせないといけませんね。創成CIRCLEのロゴは是非作りたいですね。