

超かんたん、センターお宝紹介コーナーです。今回も当センター自慢の最新鋭工作機械を機械音痴の主婦がどなたにでもわかりやすくレポートします。さて、今回は複合加工CNC旋盤加工機です。

複合加工CNC旋盤
ヤマザキマザック(株) INTEGREX 100−VSこの機械は、旋盤加工機としても大変優れた性能を持っていますが、それだけではありません。ふつう丸いものは旋盤加工機で加工しますが、旋盤加工機ではちょうどロクロを使って陶器を作る様に、加工物を回しながら削るので、四角いものは加工できません。でもこの機械では四角いものをフライス盤加工(平面や溝などの加工)したり、ボール盤加工(穴あけ加工)したりできます。例えて言えば、大工さんが木材にカンナ掛けをしたり、キリで穴を開けたりする作業です。

はい、この機械は工程集約機とも呼ばれており、いろいろな加工がこれ一台でできます。通常、加工にはいろいろな工程があり、多くはまず旋盤で丸くしてからフライス盤加工をします。これをそれぞれ別の機械でするとそのたびに取り付けをし直すことになり準備に時間がかかるのです。準備には意外に時間がかかるので、それを省けるということはかなり大きなメリットなのです。

そんなものに近いかもしれませんね。いろいろな工程のものが一台でできるので、市場へ製品として出すまでの時間を短縮できます。ですから、少量多品種のものをタイムリーに製造するのに向いています。もっと身近な例では、洗濯から乾燥までやってくれる全自動洗濯機の様なものです。

マシニングセンタで加工できるような加工はこの機械でもできます。逆にマシニングセンタで丸いものの加工をしようとすると、最初の丸い形にするところ、下準備は旋盤を使う必要があります。複合機ではこれ一台でできます。ただ、マシニングセンタは大きい加工機で小さい工作物も加工できますが、複合加工機では加工物の大きさによって機械の大きさも変える必要はあります。

複合機としてではなくマシニングセンタとして使っているところも結構あり、今後4〜5年ぐらいでもっと使われるようになってくると思います。一種類の加工しかできないのではなく、いろんな加工機種を組み合わせることで、従来とは違う加工法、イノベーティブな加工ができるような機械なのです。

チタン角材を素材とした人工骨の加工
今までは形によって二つの部品を別々に加工し、それをひっつけて一つのものにするという方法を取っていたのが、一つのものから部品を一体化して作り出すことができるようになり、それによって強度が増したり、軽いものが作れたり、安価にできるようにもなりました。また、そういった新しい使い方も使う側の方からどんどん考え出されてきています。

金属以外では、プラスチックなどの合成樹脂、ドライカーボン、焼く前のセラミックなどができます。木を加工する人もおられますが。

シロウトの質問に辛抱強く
答えて頂いたヤマザキマザックの杉浦さん
例えば、今ベンチャーとして注目を集めているのが、人工骨です。こういった複雑な加工をする、そして個人個人にあうものを作るにはふさわしい機械です。またほかに携帯電話の部品、航空機部品などに使われています。

数値制御製作型加工機(Computerized Numerical Control)のことで、数値データーで位置決めをして、ボールネジというネジの回転数で距離を測っているのです。たとえばネジが1回転したら何ミリ進む、何度回転したので何ミリ進むということが数値で出てきます。この精度はどんどんよくなっており、たとえば工場内の温度が上がっても加工精度に影響が出ないように機械自体を補正できるようになっています。


加工の様子

