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創成活動で目の輝きを!
        

薬袋奈美子 (建築建設工学専攻)

社会の求める福井大学の教育は?

 近年、国の力をつけるために改めて教育が見直されています。欧州(特に北欧)で既にその取り組みは長く成果をあげています。先日はアメリカのオバマ大統領も、教育をしっかり行うことが今のアメリカを良くするのだと言っています。これらの流れで重視されているのは、様々な新しい問題にも多角的に考える力を持てる人材育成であることでしょう。現代社会を生き抜き、かつ国を発展させるためには、言われたことに従うだけの人材育成ではダメ。福井大学の卒業生について、就職先から「真面目でよくできるのだけれども、リーダー的な立場になったときに弱い」という言われることがあるそうです。これは正にこれまでの日本の教育の欠点を持ったまま、卒業してしまった学生がいたとも言えるでしょう。

10年後にリーダーシップをとれる人材育成が創成教育

 大学と専門学校の大きな違いは、働き始めて10年後20年後に、仕事のリーダーシップをとり、何をすべきなのかを考え、見通す力のある人材を育成できるかどうかだと、私は考えています。創成教育とは、まさにそのリーダーシップをとることのできる人材育成に繋がる基盤をつくる教育です。何が社会に求められているのか、何が現在社会にある製品や技術の限界なのか、といったことを知ろうとする姿勢を持ち、体当たりしながら考えるチャンスがあることが大切だと思います。

自発的に活動を始めた田原町での学生活動


 学生の町づくりへの係わり方
 

 建築・都市計画の分野の学生との付き合いが中心になるので、まちづくり活動等を創成活動として学生を応援してきました。まちづくりに学生が係わることは全国的に展開されています。その係わり方は大きく3種類あるように思います(図参照)。授業を通した演習のように義務的に見に行く場、研究室等先生の用意した場を通して係わるもの、そして学生が自発的に課題設定をして取り組むものです。いずれも係わった人は様々な力を身につけ、充実した時間を過ごすことでしょうが、特に創成教育としては自発的に取り組むものが効果的でしょう。現代GPで大学の教育の場として使わせていただいた「たわらまちデザイン会議」を初めとした、田原町での活動も、その多くが学生の皆さんが自発的に係わり、その経験をバネに、卒業してからも良い仕事をしているようです。

目の輝きを大切に

 創成活動では、簡単に成果が見えないことも多いです。失敗が多く、研究室の先生の下での研究のようにカッコイイ成果が得られるわけではありません。特にまちづくり活動は、見えない成果のほうがむしろ多いのです。しかし、私の周りにいる学生の皆さんは、確実に成長しています。自ら考え、動く学生が増えました。そして何より自発的に活動を考え実践する時の学生の皆さんのパワーと目の輝きが素晴らしいです。元気プロジェクトまつりでも、学生が熱心に来場者に説明している姿が素敵だと感じます。皆さんの目の輝きが福井大学の魅力となり、いつか大学祭が、今の元気プロジェクトまつりのような学生の目の輝きが出せる場になれば、福井大学はより一層素敵な大学になるのではないでしょうか?まだまだ学生でいられる方は創成活動に取り組み、そして社会人になる方は後輩の応援して下さることを期待しています!